伊藤龍一のノート

サラブレッドに必要なもの | 伊藤龍一が日々思ったことを綴る日記です。


テーマ:私考・志向・嗜好

今、バド部に数年後に東海地区で優勝できる「センス」を持った奴が1人いる。
彼はまあまあ強い。(あくまで”まあまあ”だ)


私はそういった、ある一定のレベルのセンスを持った奴を「サラブレッド」と呼んでいる。
彼らは生まれ持ったセンスにより、ラケットを初めて握ったときから、何の努力もすることなく、ドロップショットの精度が良い。

「輪投げ」という遊びがあるが、正にあれの適正能力。
ある種の運動神経。上手い奴と下手な奴がいる。

そして、シャトルの落下地点を精密にコントロールする「ドロップショットの正確さ」こそが、生まれ持ったセンスを推し量る絶対的な指標なのだ。

手先の「打感」によって、彼らは数メートル先に落下するシャトルを数センチ単位でコントロールする。

このスキルはもちろん鍛えることも出来るが、やはり、サラブレッドと(あえて厳しく言うが)道産子とでは、成長の早さも、最終的に到達できる到達点の高さもまったく異なる。

悲しきかな、実は道産子が、どんなに努力を積み重ねても、所詮はサラブレッドには勝てないということが、厳然としてある。

つまりは、肥満体質の選手は、筋肉体質の選手に勝てない傾向にあることを、まずは素直に認めなければならない。

「努力さえすれば誰でもオリンピック選手になれる」、と考えるのは、やはりどこか無理がある。


最近、そんなサラブレッドの彼について憂慮していることがある。
部内で最も強いプレイヤーが必ずぶち当たる壁だ。

それは、「自分を磨くための研磨剤がない」ということだ。
ダイヤモンドを磨くのはダイヤモンドしかない。

つまり、「自分より強い相手がいない」という問題があるのだ。

強くなるためには、

「虐げられ、悔しさを味わい、這い上がって、自分より強い敵に必死で立ち向かうこと」

これが不可欠だ。

いつも楽勝で勝てる相手とやっていては、闘争本能からくる高いパフォーマンスを引き出すことが出来ない。
弱い敵と戦っていては、むしろ、「闘争本能」がサビれてしまうのだ。

いくらサラブレッドと言えど、鍛え上げなければ、ダイヤモンドどころか、”ただの石ころ”に過ぎない。

つまり、彼に今最も必要なの。

それは・・・・、


  「絶対に負けられないライバル」


だ。

私にもかつて、プレイヤーとして「死んでも負けたくないライバル」がいた。
そのライバルにとっても、私に対して同じ感情を抱いていた。

彼と、ただの1度だけ試合をすれば、その日の練習は疲れて互いにヘトヘト。
二人が戦うときは、常に互いに「全力」を出しきる試合だった。

二人が試合を始めようとすると、部活全体に不思議な空気が流れ、後輩達がコートに近寄ってくる。
二人の「プライドを賭けた真剣勝負」を見物しようというわけだ。

龍一先輩と康之先輩。

「今日はどっちの先輩が勝つんだろう」

と。

二人の試合は、常に鬼気迫る、迫真の試合だった。
1ショット、1ショット、息を呑むあの感じ。

プライドとプライドのぶつかり合い。心持はコート上での「男と男の喧嘩」。
当然、コート上には薄軽い”笑み”など存在しない。

互いに、ポイントを奪われても、悔しがる素振りを見せたり、声を発したりすることはない。
そんな「弱さ」を見せる相手ではない。

「負けたくない、ポイントを取られた自分を認めたくない。」

「ナメルな」

「ふざけるな」

「お前は雑魚だ」

「俺こそがNo.1だ」

“殺気立つ”あの感じ。
互いに”戦闘マシーン”、”殺戮マシーン”にでもなった様なあの感じ。

お互いのプライドを叩き潰すために戦う。

勝つためではない。

自分が上であること。

“相手のプライドをずたずたにするため”に戦うのだ。

勝っただけではまったく意味がない。

部員全員に、
「やっぱりこっちの先輩が一番強いんだ」
と言わせるために、互いに戦っていた。

だが結果はと言えば、第一試合目は五分五分だった。実力はやはり互角。
(二試合目以降は、持久力の高い自分が勝つ傾向にあったし、彼もそれを認識していた。それもあって、試合は1日に1試合で終る。)

彼はどちらかというとハードヒッター。
パワーとスピードで勝つタイプ。

私はオールラウンドプレーヤー。
コートの隅に打ち込む「精度の高さ」で勝つタイプ。

とうとう、彼を完全に封じることが出来ないままに、彼はプロゴルファーになるべく、高専を中退してしまった。

彼と行った最後の試合では負けた。
云わば「勝ち逃げ」されている状態。(笑)
未だに心残りだ。

この彼(手ごわいライバル)がいたお蔭で、私は東海地区優勝、そして団体3連覇が達成できたと思う。


おっと、いかんいかん。
あの時のことを思い出すと、アドレナリンが出まくってしまい、脈略も無く書きなぐってしまった。

話を元に戻そう。

こうした「真剣勝負」を積み重ねてこそ、強くなれる。

絶対に負けられない「ライバル」と「全力で戦い続ける」、「決して安易に勝てない、あるいは自分より強い敵」に挑み続ける、そんな日々がプレイヤーを鍛え上げるのだ。

コート外の筋肉トレーニングの時ではなく、実践における”真剣勝負”こそが、サラブレッドを鍛え上げる。


今、彼に無いのは、この「ライバル」の存在だ。
(去年までは私がそれになれたのだが、私は今、仕事にかまけてサビれてしまっている・・・)

「殺戮マシーン」になるためには「ライバル」が絶対に必要だ。

「殺戮マシーン」に成り代わることを日々体感・実践し、”感情をコントロールするスキル”を身に付けなければ、東海地区で優勝はできない。

怒り。憎しみ、狂気。

「闘い」にはこの様な感情が必要なのだ。

これを理解してもらうためには、私が常に「殺戮マシーン」として彼らと対峙しなければならない。


そして、「殺戮マシーン」に成り代わるスキルが身に付いたら、次は、自分自身を「ライバル」と見立て、”自分自身と戦い続けるプロセス”が待っている。

それが、毎日の素振り、走り込み、筋トレの質に影響する。

ともかく、まずは「ライバル」を用意し、彼をなんとかして地区優勝させねば。

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